漁港施設等の長寿命化対策

水産基盤ストックマネジメント事業(水産物供給基盤機能保全事業)の概要

水産物の安定供給のためには、漁業活動に必要な漁港施設等の機能を将来にわたって、健全に保持していくことが必要です。財政状況が厳しい中、今後、多くの漁港施設等が更新時期を迎え、そのための費用の増大が懸念されています。

このため、水産庁では、平成20年度に「水産基盤ストックマネジメント事業(現在は、水産物供給基盤機能保全事業)」を創設し、施設の機能保全に計画的に取り組むことによって、施設の長寿命化を図りつつ、更新コストの縮減、平準化を図っています。

当センターでは、漁港施設、海岸保全施設及び集落排水施設の長寿命化対策に必要な機能保全計画(長寿命化計画)等の策定や、当該計画に基づく保全工事(対策工事)の積算等業務を支援しています。加えて、水産庁委託事業や自主事業等を通じ、長寿命化対策に関する調査研究を行っており、新技術の導入や普及へ向けた取り組みにも積極的に対応しています。


実績

  • 平成29年度 岩漁港機能保全計画策定業務委託事業(真鶴町)
  • 平成29年度 若狭町管理漁港(4漁港)日常点検業務(若狭町)
  • 平成29年度 保田漁港水産物供給基盤機能保全事業積算業務委託(鋸南町)
  • 平成29~31年度 水産基盤整備調査委託事業(漁港漁場分野におけるICT技術の活用検討調査)(水産庁)
  • 平成30年度 漁業集落排水処理施設 知夫地区 調査および機能保全計画策定業務(知夫村)
  • 平成30年度 蛇浦漁港海岸施設機能保全事業調査・計画書作成業務委託(風間浦村)
  • 平成30年度 築上町海岸保全施設機能診断及び長寿命化計画策定業務委託(築上町)
  • 平成30~令和2年度 水産基盤整備調査委託事業(漁港漁場分野における長寿命化対策検討調査)(水産庁)
  • 令和元~2年度 むつ地区(5海岸)海岸堤防等老朽化対策事業調査・計画書作成業務委託(むつ市)
  • 令和2年度 津戸漁港漁業集落排水施設機能保全計画策定業務(隠岐の島町)
  • 令和2年度 金沢漁港船揚場4件における個別施設計画の作成支援業務委託(横浜市)
陸上目視による簡易調査

海上目視による簡易調査

潜水目視による詳細調査

新技術(UAV)による簡易調査

新技術(水中ドローン)による詳細調査(動画)

音声なし 49秒  44MB

内容について

漁港施設の多くは海上に築造されているため、その点検には船や潜水士による点検が必要で、費用面や水中点検の正確性が問題となっています。

そこで、無人航空機(UAV)、音響探査機器(ナローマルチビーム、水中3Dスキャナー)、水中ドローンといった新技術を用いて、施設の日常点検、定期点検、災害時点検に活用する方法を検討しています。

動画は、鋼材の小規模な開孔や発錆等の視覚的な変状に対し、水中ドローンの活用方法を検討している状況です。